関節リウマチ「立てないでしょう?」

当初右足だけが痛かったのに、数日前から左足が同様に痛くなった。

単に「痛い」という言葉では、ちょっと違う。

ちぎれるのではないかと思う程痛いのだ。一昨日、昨日とピークだった。


今日熊本リウマチ内科、二回目の診察だった。午後3時から7時半までかかった。

血液検査、エコー、レントゲン。

血液検査の看護師さんも、エコー技師の姉ちゃんも、素敵な人だった。

いつもの癖で、初対面なのに、飲み屋の姉ちゃんとしゃべっているかのように、仲良くなってしまった。

そのエコーの姉ちゃんが、途中でしゃべらなくなった。

仕事に集中してるのかと思ったけど、後で理由が分かった。画像に良くないものがたくさん映っていたからだ。

診察になり、先生がエコーとレントゲンの画像を開くと、「あいたたたたた、あちゃー」とかなり慌てられた。よくも悪くも、感情が表に出る先生だ。俺はこういう人は信用できると思っている。

「悪いですか?」

「映ってはいけないものが、たくさん映っています。肉芽という、肉片です。エコー画像の赤い部分が肉芽です。」

肉芽という言葉は、たしかブラックジャックで読んだことがあった。

1/13の初診では、痛風だろうという見立てだった。あるいは関節炎。

その見立てが覆されたのだ。

「肉芽が骨に食い込んでいます。骨びらんがある。つまり骨が壊れています。左右の骨の形が違う。右足が特にひどい。これだけひどかったら、今、立てないでしょう?」

本当に一ヶ月前は立てなかった。今は歩けるが、両足ともびっこを引いている。

「2年前に人間ドッグでリウマチと言われたんでしょう?その時に治療を開始しなければならなかったんですよ。最初の2年間が最も早く進行するんです。」

「その2年間を、放置してしまったと言うことでしょうか?」

「その通りです。」

「そんなに悪いんですか?進行はそんなに早く進むんですか?もっとゆったりしたものだとイメージしていました。」

「中川先生が思っているより、ずっと早いです。」

「1日でも早く、治療を始めなければいけないほどでしょうか?」

「そうです。1日でも早くしなければいけません。日に日に悪くなっていきます。まずはリウマチの火種を消すことを考えます。」

思い返せば3年前、ある日両足同時に腫れ上がり、まったく立てなかった。それほどひどかったのだ。近所の整形外科に行くと、痛風だと言われた。昔から尿酸値は高かった。13位あった。今日は8.1だった。

尿酸値が高いから痛風。

実は今回もその整形外科に行ったのだ。そしてまた、見もせずに「痛風」と言われた。

本当は、3年前のヤツもリウマチだったのだ。

その時、リウマチの治療を開始していれば、これほど大事にはならなかったのだ。

その整形外科医、なんとリウマチの専門医だ。

心の底から、がっかりした。

ヤブ医者め。


今日、前から疑問に思っていたことを質問した。

「痛風が両足同時に来ることはありますか?」

「ほとんど、ありません。」


なぜこんな間違いが起こったのか。

2年前、荒尾市民病院での人間ドック。血液で炎症反応が出て、後日精密検査。

そして、リウマチ陽性。

しかし、特別症状が無かったので、症状が出始めたら投薬しましょう、という方針で半年ごとに、検査に行っていた。

ここで大きな間違いがあったのだ。症状が無い、とは「手」のことだったのだ。

手だけをレントゲンなど、検査した。

たいてい、関節リウマチは先に手に症状が現れるらしい。

ところが俺は足に症状があったのだ。

それにその前に、足が痛いことは近所の整形外科で「痛風」と明確に診断されていた。

俺自身が、足が痛いのは1~2年に一回襲ってくる「痛風」と思い込んでいたので、荒尾市民病院で、足も検査してくれと言わなかったのだ。

熊本リウマチ内科のお医者さんが言うには、リウマチと診断が確定した時点で、治療を開始しなければいけないのだそうだ。

荒尾市民病院の「症状が出たら治療開始」とは、かなり違う。

病院によって、言うこと、方針はかなり違う。

このことは肝に銘じておかねばならない。


4月からは学校に「武道空手部」を作る活動を開始する予定だった。

公立学校では日本で初めてだろう。計画書まで作ってしまった。

リウマチの身体で、本当に殴る蹴るをする「武道空手部」を作って指導すると言って、説得力があるだろうか。

絶対にあらゆる人から「指導できるはずがない」と言われるはずだ。


フルコンタクト空手部は全国に無い。私立の学校に数校あるくらいだ。

俺が「先駆け」になるのだ。

そう決意していたが、病院を出る頃にはすっかりくじけていた。

空手着を着て、子どもたちと、一緒に汗を流すのが夢だった。


11月に全ての薬を飲むのをやめたばかり。

やっと、うつ病を克服した直後に、リウマチ。

絶望感が全身を襲う。


しかしさっき、親しくさせていただいているIT社長が、俺がリウマチだと知った上で、「うちの近所の子どもに空手を教えてください」と言われた。「ボランティアで、一緒に県内を回りましょう」と。

その言葉が、どれほど勇気をくれたことか。

泣いてしまった。


そうだ。俺は俺が出来ることをすれば良い。

それはきっと、俺しか出来ないことなのだ。

病気ならば、病気の人間にしかできないことをすればいい。

病気であろうが無かろうが、俺が俺らしく生きることには、なんの変わりもないのだ。


昔からの信念。

勝つと思ったヤツだけが、本当に勝つのだ。

もうダメだと思った瞬間に、負けが確定するのだ。


俺は絶対に、負けない。負けることを、認めない。

立てなくなっても、空手の指導は一生続ける。

寝転がってでも、空手はできることを、証明してやる。

侍円侭 空手道 the Engine Karate-do

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